「春画を読む」
春画を読んでみると、そこには艶やかで趣深い世界が広がっていた。
世界的にアートとして認められている浮世絵。
江戸文化の真髄、現代を生きる我々にとっては想像を巡らすことしかできないが、
しかし人間そのものが変わるわけでもなく、
文化は違えど普遍的な人間の営みは今も昔も変わらない。
手元にある、とても状態は良いとは言えない春画本。
現代の我々からすると、時代的、文化的な隔たりもあるためかいやらしさは感じない。
しかし字面を追って、なんとなく眺めているうちに、
登場人物の想いや息遣いが聞こえてきて、不意に惹き込まれていた。
春画のくずし字を解読し当時に想いを馳せてみる。
惹かれ合う若い男女
こちらの場面では若い男女が愛し合う。
<むすめ>
四ツをとふに打ちやした遅くきなさつたかわりに
ながくして二ツ気をやらしてそろそろこしをつかひな
又いつあおふやらしれぬまそつと下を
<おとこ>
何をいゆる又いつあおふやらしれぬとはなんの事だ
<むすめ>
わちハお屋敷へ奉公にあがりやんすおまへとめをとのやくそくしたからハ
たとへ久しくあはづともかならづ外の女をソレ〃くつとついていくよ
<おとこ>
それ〃よいかわしもよい此よきとそをくのこ〃ろがわすれられるものか
お屋敷がたへ◯くりとなつて出入りしてかほを見つ見られつしよふほどに
かならづ外のおとこに
<むすめ>
なんのいなおまへよりほかにおとこをもちハせぬ
それ〃又気がハァ〃それいくわひなまそつとおくを
ア〃もふどふもならぬ
<おとこ>
ソレよいかおれもよひぞ〇〇〇〇二ツおれも二ツ
<むすめ>
わたしハア〃わつちハこれで三ツだハア〃いつそアア〃
終わり
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道具屋 晄 店主は骨董の町、西荻窪と、画廊ひしめく銀座の古美術商でキャリアを積みました。
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