狩野探幽 “天月荒波” 双幅 絹本 着色 狩野派中興の祖 / Kanō Tan’yū “Moon and Waves”

狩野探幽 "天月荒波" / Kanō Tan'yū "Moon and Waves"

双幅 紙本 着色 安木田頼方箱書
売切 / sold

 

狩野探幽は江戸初期の絵師で、狩野派の中でも特に重要な存在として多大な影響を及ぼしました

探幽芸術の真骨頂は余白の美、と言われます
現在では日本的な美意識の一つとして広く認知されていますが探幽はその「余白の美」の創始者といわれています

代表作に大徳寺障壁画の山水図(重文)などが挙げられます

画風は瀟洒淡麗、淡白で実に品があります
余白を大胆に生かし、絶妙なバランスと緊張感で画面を構成しつつ水墨の濃淡巧みに空気感をも表現する、、、

日本美術では余白の美、はよく聞く言葉で、ありきたりに思われるかもしれませんが、探幽の余白を生かした作品を展覧会などで実際に観ると異質なものを感じます

多くの絵画表現は対象を描く事に重点を置いていると思いますが、探幽の意識は少し違って描かないところにいかに気配を漂わせるか、に意識があるように思います
描かずして描く、というのはやっぱりちょっと尋常じゃない気がします
探幽は狩野派の中でも特に評価が高く後世の狩野派の手本になっていますが、余白の美、みたいな作品での探幽フォロワーはあまり見かけません
分かりやすいモチーフを描いたような表現については模することはできても、余白の美の真骨頂はやはり真似ができなかったようです

ちなみに探幽の名前の由来は「幽かなるを探る」と言う意味だそうですが、名は体を表す、と言いますか幽玄な気配を表現させたら唯一無二の存在ではないでしょうか

本作も実に探幽らしい優品といえます
描かれるのは波と月と雲だけですが、緊張感に満ちており静謐で幽玄な雰囲気が漂います

ぼんやりと輝くような月だったり、絶妙な曲線を描く大胆な波の筆遣いは本当に素晴らしいです
探幽は天才肌と言われていますが何か神がかった様なものを感じます

 


 

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